公開日 2024年11月06日
11月1日から、改正道路交通法が施行されました。
~自転車にも道路交通法による罰則が適用されます!~
11月1日から施行された改正道路交通法では、次の3点が変わりました。
1:自転車の酒気帯び運転に対する罰則の新設(本人だけではなく酒類の提供者等も対象)
2:自転車運転中の「ながらスマホ」の禁止・罰則化
3:原動機付自転車等の運転の明確化
それぞれの内容を示しておきますので、ルールを守って自転車を運転しましょう。
1:自転車の酒気帯び運転、ほう助に対する罰則
酒気を帯びた状態で自転車を運転する行為などが新たに刑事罰の対象となりました。(自転車以外の軽車両については、引き続き酒気帯び運転に関する罰則の対象外です。)
【罰則】3年以下の懲役または50万円以下の罰金
また、自転車の飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供したり、自転車を提供したりすること(酒気帯び運転のほう助)も禁止となりました。
★酒気帯び運転とは
「酒気帯び運転」とは、体内にアルコールを保有している状態で車両を運転する行為です。
これまでも自転車の酒酔い運転は罰則の対象(5年以下の懲役又は100万円以下の罰金)でしたが、今回の法改正により、以下のいずれかを満たす分量のアルコールを体内に保有した状態での酒気帯び運転は、刑事罰の対象になります。
1.血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上
2.呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上
★ほう助に対する罰則
「自転車の飲酒運転をするおそれがある者に自転車を提供し、その者が自転車の酒気帯び運転をした場合」
【罰則】自転車の提供者:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
「自転車の飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供し、その者が自転車の酒気帯び運転をした場合」
【罰則】酒類の提供者:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
「自転車の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、その自転車に同乗した場合」
【罰則】同乗者:2年以下の懲役または30万円以下の罰金
2:自転車運転中の「ながらスマホ」の禁止・罰則化
自転車の運転中にいわゆる「ながらスマホ」をすることが禁止され、罰則の対象となりました。
【罰則】6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金
スマートフォン等を使用又は画像を注視しながら自転車を運転して、事故などの交通の危険を生じさせた場合
【罰則】1年以下の懲役または30万円以下の罰金
★「ながらスマホ」とは
スマートフォンなどを手で保持して、自転車に乗りながら通話したり、画面を注視する行為などをいいます(自転車が停止しているときを除きます)。
◇自転車運転者講習制度について
「自転車運転者講習」は、自転車の運転による交通の危険を防止するための講習です。
自転車の酒気帯び運転を含む下記の16種類の危険行為を3年以内に2回以上した者が「自転車運転者講習」の受講対象者となります。この講習は義務ですので、講習の受講を怠ると「5万円以下の罰金」が科されます。
★自転車の危険行為16類型
- 信号無視
- 通行禁止違反(道路標識で自転車の通行が禁止されている道路を通行する行為など)
- 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
- 通行区分違反(道路の中央から右側部分を通行する行為など)
- 路側帯通行時の歩行者の通行妨害(自転車が通行できる路側帯で歩行者の通行を妨げるような速度と方法で通行する行為)
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反等(優先道路を通行する車両等の進行を妨害する行為など)
- 交差点優先車妨害等(交差点で右折時における、直進又は左折車両等の進行を妨害する行為)
- 環状交差点安全進行義務違反等(環状交差点内を通行する車両等の進行を妨害する行為など)
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反(歩道通行時に歩行者の通行を妨害する行為など)
- 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転(ブレーキ装置がなかったり、ブレーキの性能が不良な自転車で走行する行為)
- 酒酔い運転、酒気帯び運転
- 安全運転義務違反(ハンドルやブレーキ等を確実に操作せず、また他人に危害を及ぼすような速度や方法で運転する行為)
- 携帯電話使用等
- 他者の運転を妨害する運転(あおり運転)
3:原動機付自転車等の「運転」の明確化
「ペダルその他の人の力により走行させることができる装置を用いて走行させる場合」が、原動機付自転車を「運転」する定義として含まれることが明確化されました。
従来の定義では、特にペダル付原動機付自転車(いわゆる「モペット」)のペダルを漕いでの走行が、原動機付自転車の「運転」の定義に該当するかどうか不明確であったために、交通事故や交通違反が増加していることが問題視されていました。それを解決するための改正です。
その他、2026年5月23日までに施行される改正道路交通法により、自転車などの軽車両に対する反則金制度が新設されます。