ニホンザルの「追い払い」と「誘引物対策」について

公開日 2024年09月10日

 

ニホンザルによる農作物被害を防ぐためには、さまざまな対策がありますが、集落単位で可能で特に重要なのが「追い払い」と「誘引物対策」です。この二つを実行せずにサル対策に成功した事例はありません。ここで紹介する対策を実行して鳥獣害に強い集落を構築し、サルによる被害をなくしましょう。

追い払いについて

サルが多くいるということは、エサがあり安心して生活できる、サルにとって理想的な環境になっているということです。野生動物は危険な場所には行きたがりません。サルを見つけたら必ず追い払いを行い、実際に嫌な目に遭わせて「あの集落は危険である」と思わせることが重要です。

 

追い払い用具

◆ロケット花火

20から30メートルほど飛んで破裂します。破裂時にすべて燃え尽き、火が残る可能性が低い紙製のロケット花火を使用してください。火を扱いますので下記注意点をよく読んでご使用ください。

◆電動エアガン

連続で弾を飛ばすことができます。生分解性の弾を使用すれば、地表に着弾後、数年で分解されるため環境負荷を与えません。

 

追い払い方法

◆集落ぐるみで

サルは追いかけてくる人間か否かを記憶しています。多勢で追い払いを行わなければ効果はありません。成功している集落では、一人が追い払いを始めると何人かが加勢し必ず複数人で追い払うようにしています。サルが最も恐れているのは追い払いしてくる人間であり、複数人で追うことが大切です。

◆いつでも

農繁期、農閑期に関わらず、また、狙われた作物が人間が食べる物かどうかに関わらず、サルを見かけたら追い払いましょう。人間が見過ごして、サルが容易に作物を摂取し続ければ「この場所は安全に餌が得られる」という追い払いとは逆の学習をさせていることになります。

◆山の中まで

サルの領域である山に一歩でも侵入することは、サルとって大きな圧力となります。山の深くまで追い払うほど効果的です。慌てて追いかける必要はありません。ゆっくり歩いて接近する人間を警戒するよう学習させます。結果、人間がいるだけで警戒するようになります。

◆根気強く

サルの追い払いは教育ですので、出没回数が減るまでには数か月を要します。焦らずに無理のないようにしましょう。

追い払いを行う上での注意点

  • 追い払い道具は人に当たると危険ですので、必ず周辺の安全確認を行ったうえで使用してください。
  • 建物や電線に対し安全な距離をとってください。
  • 花火は枯草などに飛び火して火事につながる危険性があります。消火用水を準備するなど十分注意してください。
  • 花火が不発の場合、火が残っている可能性がありますので、落下個所を確認するなど特に注意してください。
  • 花火は非常に軽く、風に影響され、思いがけない方向に飛ぶ場合があります。風向きには十分注意してください。

誘引物対策

人間の食料にならないようなものもサルにとってはごちそうになります。集落内にはサルのごちそうがたくさんあり、個人単位で対策を行っても効果は少なくなります。追い払いと同じように、必ず集落単位で行うことが重要です。

農地での対策

◆収穫後の残さ(ひこばえ等)は早めに耕うんする

◆収穫予定のない果樹や栗などは、早期摘果する。可能なら伐採する。

◆廃棄した作物や果樹は、すき込み・埋設・焼却する

集落での対策

◆庭先、農地周辺の果樹は、管理しやすいよう低樹高に仕立て早期摘果する。利用しない場合は伐採する。

◆生ごみは畑に放置せずコンポストに入れたり、埋設・焼却したりする

◆墓地のお供え物や供花はなるべく放置せず持ち帰る

お問い合わせ

産業経済部 農林業振興課
TEL:0883-22-2228
FAX:0883-22-2237
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